2014年5月   北欧の旅の報告

デンマークの小学校と生産学校

 昨晩はダウンして、早々に寝てしまいました。といっても、百夜ですから明るくて、8時半になっても、まるで昼間と同じ感覚ですから、気持ちと景色が一致しないのですね。
 さて、昨日はまず、ゲントク市にあるフリースクール、リレスコーレを訪問しました。

 デンマークでは、一定の条件を満たせば、誰でも学校を設立することができます。
 重要なことは国民学校と同等程度の教育をすること、でも独自の教育方針をもっています。
 シモン校長先生にレクチャーをうけています。

 リレスコーレが大事にしていることは次の4点でした。
@共同体 
Aオープンで透明なこと
B創造性 演劇など文化を大事にしていました。子どもも、先生も。保護者も、みんな演劇をするのだそうです。
C学力
フリースクールは大変人気があって、この学校も200人ほどの定員ですが、すでに数年先まで入学の予約でいっぱいとのこと。
 「もっとわくわくした学校にしたい」と校長先生は語っておられました。
 ちなみに、校長先生は44歳。校長として3校目だといいます。

 公立学校に通う子は8割、2割強が私立。
 公立はもちろん無料です。私立も8割近くの補助が国からくるので、親の負担はないとのことでした。
 デンマークでは、教育改革が進められており、「学力」問題がデスカっションされて、長い時間学校において学力を上げようとの方針が出されています。
 一昨日の幼稚園からの英語の勉強もその一環でしょう。
 シモン強調先生は「私たちの学力の考え方は公立と違う」と話されました。

 私たちは折り紙を持参して、3年生のこどもたちにつるの折り方を教えました。
 子どもたちは私たちを歓迎してくれ、は夢中で何羽も折ることに挑戦していました。先生も一緒に挑戦していました。


  五十嵐さんは手品がお得意。ご披露して拍手喝采。


 校長先生が「記念撮影しましょう」と。
 楽しいひと時を過ごさせていただきました。デンマークの教育がどうなってゆくのか、過渡期にあることを実感しました。
 それは次の生産学校でも感じたことです。

 昼食は生産学校の生徒が作ったオープンサンドでした。デンマークの代表的な食事だそうです。パンはライ麦が入った歯ごたえがあり、いろいろなものがのっています。3つ食べるのが大変でした。
 生産学校は全国に81あって、国からの補助で運営しています。

 中等教育や職業学校を、様々な理由・・・学力、家庭の事情、いじめ、薬物・・・でドロップアウトした子どもたちの進路を一緒に考える学校です。
 単なる職業訓練ではなく、生き方を探る学校だと感じました。

 ソーシャルワーカーやカウンセラーも配置されていました。
 5つの選択があって、それぞれ自分にあったワークショップで力を発揮しています。

 オープンサンドも厨房で働く仲間の作品でした。


 独自の自転車を作成した、物作りのワークショップの仲間たち。「売れている」そうです。
 真ん中の黒い服の型が校長先生。心底若者を信頼している、本当に素敵な方でした。

 大事なことは、生徒たちは給料をもらいながら訓練を受けているということです。
 給料計算も行う事務仕事もワークショップになっています。
 1年の決まりだが、終了は「自分の準備ができたら」だそうです。

「生徒への目標は、喜んで学校に来て意欲を持って生きてゆくこと」だと、校長先生の言葉です。

 日本では放置され責任は親に押し付けられれ、保護者が苦労しているのが実体、本当に心打たれました。
 しかし「競争で日本の子供たちはズタズタ、この学校に感銘した」との私の意見に、校長先生は「デンマークもどうなるかわからない」と、シビアな返事が返って来ました。

 さて、そろそろ、ヘルシンキに出発する時間です。
 最後に、雨模様の中、「記念に」とクルーズに乗って運河を渡りました。
 人魚姫の銅像も眺めてきました。


 王宮へ渡る橋はさすがに立派でした。橋の下をくぐって船は進みます。

   コペンハーゲンのデパートです。

 多くを学んで、次はフィンランドです。ヘルシンキのパソコン事情が心配です。
 発信できることを願っています。