2014年5月   北欧の旅の報告

北欧の旅の報告

 

 2014年5月31日から6月8日まで、北欧の福祉・教育の視察の旅に出ました。この記録は、ブログに掲載したものをまとめまたものです。

 旅のメンバーは、11人の女性グループ。
 この旅をしてみたいと集まってきた方々で、常日頃から、党活動や新婦人、その他のサークルや運動を通して知り合ってきた方でした。

 旅行会社は、昨年ドイツの旅でお世話になった「たびせんつなぐ」です。通常の観光の旅ではなく視察を中心に、との注文で予定を組んでいただきました。
 観光旅行も素敵だと思うのですが、何度も行けるわけではないので、ここは実を取りました。予定つくりにはかなりご苦労があったと思います。

 第一に、こちらの日程と行く先の国の事情のすり合わせで苦労しました。
 私たちは、選挙や議会を外すことが第一の条件、しかし、それだと向こうはバカンスだったり9月の始業で忙しかったり・・・妥協して組んだ日程となりましたので、学校訪問はデンマークのフリースクール1校だけなど、惜しいこともありましたが、国の内情と国民の暮らしを垣間見た、学ぶことの多い旅になりました。

 特にガイドは厳選していただき、デンマーク、フィンランド在住のその道のプロの日本人をつけていただき、そのことで実り多い視察になりました。

 よく、フィンランドの教育、デンマークの幸せなお年よりの話は聞くけれども、一度この目で確かめてきたいとの思いが実現した次第です。

 デンマークでは何とかインターネットが開通しましたが、フィンランドでは無線が思うようにいかず、ランを使っても全く開通せず、仕方なく帰国後忘れないうちに書きしたためました。

 一言でいえば、日本よりはるかに優れた福祉、教育が行われていました。基本的な考え方の違いが浮き彫りになり、人権感覚での日本の遅れが際立ちました。
 一方では、合理的な「個人主義」の弊害も生まれており、問題がないわけではないと感じてきました。

 EUでも吹き荒れている新自由主義のあらしが、少しずつ、福祉の国を襲っていている現実もありました。

 今回は医療の分野には深くは入り込めませんでしたが、デンマークでは医師も不足、受診まで数か月待つこともあるという実態もあります。

 税金は高いです。デンマークの場合でいえば、消費税は25%,所得税、住民税のほか、奨学金、年金、生活保護費なども一度受け取ったお金には税金がつきます。約75%。負担は世界一。
 でも、税金を安くして社会保障を下げるか、そのままがいいか、では「そのまま」が圧倒的に多い調査結果です。
 日本から行くと、物価が高い。ペットボトルの水が約500円近くします。
 しかし、給料が違います。パートの労働者でも最賃は2000円はもらうそうですから。

 社会保障は、人民のたたかいの結晶、たたかわなければ後退するという当たり前のことが旅を通して身に染みました。

 ますます泥沼に入ってゆく安倍政権、戦争をする国にすることを防いで、命を守れるかどうか、子どもの未来を守れるかどうかの歴史の瀬戸際にいる日本です。
 学んできたことを生かし、力にしてゆきたいと考えています。

          22014年6月15日  記