ドイツ、スイス再生可能エネルギー視察旅行

4月11日 有機農業の視察

 いつものように7時の朝食。7時半にはバスに乗り込んで、再びスイスへ行きました。目的地まで約2時間です。毎日、けっこうハードな日程です。
 午前中はフィック村の有機農業研究所、午後はテルビィル村の農業組合、産直センターを見学しました。
 昼食はスイスのCOOP店で、バイキングです。

セミナーを受ける

 有機農業研究所では、教育担当のロベルトさんのセミナーでした。
 スライドを使っての講義でしたが、文字も言葉もまったくわかりませんので通約をしてくれた環境問題を研究しているジャーナリストの滝川さんが頼りでしたが、見事な通約だったので、よくわかりました。
 環境問題で活躍する日本人がここにもいたことに、とてもうれしかったですが、日本では仕事がなり立たないのでしょうか??

セミナーを受ける

 有機農業の研究所は国内にたくさんありますが、この研究所は民間の財団が運営しています。今年40周年を迎え従業員は135人。基礎研究ではなく、現場での応用研究だということでした。
 日本と同じCOOPと、同じく組合員で構成された大手スーパーのミグロスが市場です。
 このスーパー2つあわせて、300万人の組合因果いるというのですから、驚きです。スイスの人口は約800万人です。
 どちらのスーパーも、売り上げの一部を有機農業の研究所や教育文化支援へまわしているということです。
 研究所には土壌、穀物以外の野菜、生物病虫害、動物の健康と飼育、社会経済学、と分野別の研究を行っていましたが、研究の基本的考え方は共通しています。
 「食品の品質と持続可能性、気候にやさしい農産物を」がテーマでした。
ここでも「持続可能」が大きなテーマになっていました。

スイスの有機農業と国の援助

 スイスの有機農業の歴史は長く、1920年ごろより始まっているそうです。有機農業の基準は厳しいとのこと。
 抗生物質の使用はもちろん、濃厚飼料は10パーセント以下の使用、ハウスでの暖房も禁じられています。害虫には、益虫を対峙させることで対応し、トマトのハウスでは蜂がトマトを守る益虫として扱われ、蜂箱がありました。
 益虫を研究して相談に乗りながら販売している会社もあるそうです。「蜂を使う時期や方法も指導を受けながらやっています」と言っていました。
有機農業研究所で

 牛の食べる牧草ももちろん有機でなければなりませんし、高いハードルを乗り越えての有機栽培の生産を目指していました。
 有機農業というには、このような厳しい基準をクリアしなければならないのだと、初めて知りましたし、日本にはあるのでしょうか。私の知らないことでした。
 農家の有機農業への参加は11パーセント。
 1997年ごろ、ミグロスとCOOPができてから、売り上げが伸びて年間2千億円、市場売り上げの5パーセント。一人の有機農産物の消費量は世界一だそうです。
 スイス人の支出の中で食品に占める割合は7パーセントだそうで、10パーセント出してくれる勇気があったらいいのだが・・・・・とロベルトさんが希望を述べていました。

 スイスでは農業に対しての国の補助金があります。スイスは長野県と同じように山間地が多い。平地だけの農業ではありません。急勾配の農地も多いです。
 補助金は勾配の段階などに応じて出されますが、年間一軒で300万円から500万円のも昇っています。農家収入の2〜3割は助成金で占められているとのことです。
 補助金を受ける条件については今、議会でも議論されているそうです。その中に、有機農業の促進も検討されているとのことでした。

 国の手厚い助成は、うらやましい限りです。農業を基幹産業として位置づけているかが問われることですね。日本はTPPで自国の農業を壊滅させようとしているのですから、この違いに怒りでしたね。
 ロベルトさんは、「たとえば国産のきゅうりが取れる季節になれば関税を上げ国内産のものを守ります。自由化では有機は守れません」と輸入自由化には反対の立場を表明していました。
 セミナーを受けている私たちは思わず、「TPPなんてとんでもないね」と声を発しました。
 セミナーでは、従来の農業は経済的理由から、つまりもうけが中心でやる人が多かったが、教育は「頭、こころ、手」だというペスタロッチの言葉の引用をしながら農業の基礎教育に力を入れているプログラムも紹介してくださいました。
 農業見習生は3年間、農家に寄宿しながら1週55時間働き、講義も受けます。1年目は360時間、2年目も360時間、3年目は880時間です。後継者つくりに力を入れていました。

ビルスマッテン農場

 次に訪れた産直センター、ビルスマッテン農場では、日本からの青年研修生も働いていましたが、彼によると、日本の青年が結構来ているとのことでした。農業に意欲を燃やす青年に会えたのはうれしい限りでした。「ぜひ長野で農業を!」と農民連の皆さんは盛んにアタックしていました。
 産直センターは、日本でも新婦人と農民連が協力して行っている野菜ボックスと同じことをやっていましたが、規模が違います。組合員600人、年間売り上げ2〜3億円だそうです。

 大きな農場を持っていて、農機具も大規模農業用でした。
 ただし、日本のように、用途に合わせて農機具を買わせるのではなく、部品の取替えで草刈から種付けから収穫まで、何通りも利用できる無駄のない合理的なものでした。
 ここも有機農業なので、一番は雑草とのたたかいなんだと思いました。それは、説明してくれた農機具の多くが草刈のために工夫したものだったからです。

COOPで昼食

 昼食はCOOPでバイキングでした。COOPは巨大なスーパーでした。私たちが普通使っているスーパーの店舗の何倍あるでしょうか。スーパーとホームセンターを一緒にした店舗でした。なんでもあります。

 食事は、サラダやその他の野菜料理などはお皿に大小があって、皿の大きさで値段が決まるという方法でした。魚や肉のメインデッシュは別に注文します。
 おいしくいただきました。が、少し、日本食が懐かしくなっています。
ハムもパンも、チーズも種類がたくさんあって、みんなおいしいのですが、さすがに、毎朝のパンにチーズにハムと飲み物の繰り返しは、慣れないです。
 料理も簡単なものです。日本のように手が込んでいません。「ドイツの主婦は楽でいいな」なんて声も聞こえました。そうだなあ・・・と思いました。
夕食のとき、持って行ったインスタントみそ汁で生き返りました!!